最近、日本の「お・も・て・な・し」が注目を浴びていますが、基本は相手を思いやる気持ち。四季の変化が暮らしの彩りになっているこの国では、食卓のしつらえにもこうした気遣いが生きています。料理や器はもちろんですが、食卓の一番小さなアクセント、箸置きには、箸先で食卓が汚れないようにという心遣いと、この日の食卓のために用意する、季節を映した楽しい遊び心がひそんでいます。この小さなあしらいは、忘れたくないおもてなしです。
私は、テーブルを整えるとき、テーブルマットやトレイを用意し、その上にまず箸置きと箸をそろえます。これで、これから食事が出てくるという何よりの合図になるわけです。一人の時でも、家族のテーブルでも、もちろんどなたかをお招きしたときも、箸置きは欠かせません。 |